B2Bカンファレンスピッチで実感した、オフラインだから伝わる想いの力―ONCE AGAIN福氏が語るAI映像への挑戦

ONCE AGAIN様

株式会社ONCE AGAIN 代表取締役社長 福 和敏氏

映像制作の現場で長年キャリアを積み、現在はAIを活用した映像表現に挑戦している株式会社ONCE AGAINの福和敏氏。B2Bカンファレンスへの登壇をきっかけに、自身の事業の可能性や、これからのクリエイターの在り方について改めて考える機会になったと語ります。これまで大きな予算や人的リソースが必要だった映像制作も、AIの進化によって大きく変わろうとしています。本記事では、B2Bカンファレンス登壇後の率直な感想や、AI映像への想い、今後描いている展望について伺いました。

B2Bカンファレンス登壇で見えた“伝え方”の課題

――トップバッターでの登壇でしたが、緊張はありましたか?

まったく緊張しなかったです。ただ、正直に言うと「ビジネスピッチ」がどういうものなのか、ちゃんと理解しきれていなかったんですよね。自分の事業について話せばいいと思っていたんですが、「本当にそれでいいのか?」という感覚がずっとありました。

あとからYouTubeでピッチ大会番組を見て、「こういう視点で臨むべきだったんだ」と気づいたんです。ChatGPTに番組のURLを入れて、「チェアマン目線でこの事業をボコボコにしてください」と投げたら、本当にボコボコにされまして(笑)

でも、その指摘がかなり的確だったんです。

特に印象に残ったのが、「大企業でもできる事業なのに、あなたの会社はどう差別化するのか」という問いでした。その時はうまく答えられなかったんですが、あとから考えてみると、自分の中にはちゃんと答えがあったんですよ。

それが、“昔活躍していたクリエイターたちのセカンドキャリアになれる”ということです。昔は予算やしがらみでできなかった表現が、今はAIを使えば実現できる。映像を知っている人たちがAIを使えば、本当に強い作品を作れると思っています。

――登壇したことで得られたものも大きかったのではないですか?

大きかったですね。内容に関しては反省点もありましたが、登壇したことで声をかけてもらえるようになりました。

交流会では「さっき登壇していましたよね」と話しかけてもらえることも多くて、動画制作やAIについて相談をいただく機会が増えたんです。自分から営業しなくても、向こうから来てくださる。これはすごく大きかったですね。

その後、参加者リストをもとにAIを使って企業ごとに個別メールを送りました。Gmailと連携して、その企業の特徴を踏まえた文章を自動生成して送る形ですね。30社ほど送った時点で何件か返信があり、すでに情報交換の打ち合わせにもつながっています。出場した意味はあったと実感しています。

AI映像が、日本のクリエイターを変える

――AI映像に可能性を感じたきっかけは何だったのでしょうか?

昔からミュージックビデオの世界にいたので、韓国との違いをずっと感じていました。韓国の映像って派手でインパクトがありますよね。でも、あれは単純に予算の差なんです。

何日もかけて撮影し、莫大なコストをかけて映像を作っている。日本ではなかなかそこまで予算をかけられない。でもAIを使えば、その差を埋められると思ったんです。

実際、今は某アーティストのフルAI映像制作にも取り組んでいます。音源と写真素材、そして少しだけダンスの動きを撮影すれば、かなり高品質な映像が作れる。昔なら何千万円もかかっていたようなクオリティを、圧倒的に低コストで実現できる時代になりました。

しかも、AIがあることで、クリエイターの“本当の実力”が問われるようになると思っています。今までは予算がある人が強かった。でもこれからは、「何を作るか」「どう見せるか」の発想力やセンスが勝負になる。誰でも作れる時代だからこそ、本当に力がある人が残っていくんじゃないでしょうか。

――今後、日本の映像業界はどう変わっていくと思いますか?

ようやく世界と戦える土俵に立てたと思っています。

日本のアーティストは、これまであまりグローバルを意識してこなかった。でもAIを使えば、今まで予算的に難しかった映像表現もできるようになる。海外ロケのような背景も作れるし、CG制作にかかっていた時間やコストも大きく変わる。だから今後は、“実写+AI”の時代になると思っています。

もちろん、人を撮ること自体は大事です。でも背景や演出の部分でAIを活用すれば、日本のクリエイターはもっと自由になれる。そこに大きな可能性を感じています。

「やっていて苦にならない仕事」を追い続ける

――現在、新しい挑戦をされていて楽しいですか?

めちゃくちゃ楽しいです。以前は営業をしなくても仕事が来る状態でした。でも今はゼロから営業もしている。インスタ広告の出し方も分からないところから始めています。でも、それがすごく面白いんですよね。「起業ってこういうことなんだな」と、今改めて感じています。

実は、映像業界に入った頃もそうだったんです。徹夜続きのブラックな環境だったんですが、それすら楽しかった。「これがこの業界か!」って(笑)。 今も同じ感覚があります。AIで新しい映像表現を試して、「これ面白いな」「こんなのできるのか」と毎日ワクワクしているんです。

家に帰ってもずっとパソコンに向かっていますし、暇があればサンプル動画を作っています。商談前には相手企業向けのサンプル映像を勝手に作って、「こういうことができます」と見せるんです。それで反応が良かったら契約してください、と。まずは見せた方が早いですから。

――最後に、これから登壇や挑戦を考えている方へメッセージをお願いします。

登壇は絶対にした方がいいと思います。広告と違って、ステージでは“人”が見えるんですよ。熱量や想いが伝わる。だからこそ、オフラインには価値があります。

ただ、自分の反省点としては、「事業説明だけではダメ」ということも強く感じました。「どんな問題を解決したいのか」「なぜこの事業をやるのか」を、もっとしっかり語るべきでしたね。今後登壇する人には、セールスピッチ番組をYouTubeで見て準備した方がいい、と伝えたいですね(笑)でも、それも含めてすごく勉強になりましたし、今後につながる経験でした。

今は本当に毎日が楽しいです。これからAIと映像がどう進化していくのか、自分自身が一番ワクワクしています。